
トナーカードリッジに入っている微粒子のトナー。
その大きさは50~80ミクロンです(1ミクロン=1000分の1ミリ)。
熱に溶けやすいプラスチック樹脂で出来ており、紙に色を付けるための顔料やワックス、鉄などの金属粒子(帯電制御剤)などが付着しています。
粉塵爆発とは、空気中に可燃性の粉塵が一定濃度で存在する場合、ライターなどの着火源により爆発が引き起こされる現象です。
紛体の大きさが500ミクロン以下ですと粉塵爆発の危険性があり、特にマグネシウムやアルミニウムは爆発しやすいです。
トナーは爆発しにくい素材を使用しておりますが、燃えないゴミに出してしまうと、ゴミ回収車の中でスプレー缶やライターなどと接触し、出火する可能性があります。
カードリッジの破損などで中身がこぼれてしまった場合、掃除機で吸引すると、粒子の細かいトナーはフィルターを通過してしまい、発煙・発火する恐れがあります。
万が一中身が出てしまった場合には、フィルターの細かいトナー専用掃除機を使用するか、ほうきで掃除しましょう。
トナーを廃棄するには、お近くの家電量販店に設置されているトナーカートリッジ用の回収ポストに入れます。
家電量販店にはキャノンの回収ボックス(エコリカ)があり、投入口に入れるだけでOKです。
回収ボックスには小型~大型があり、大型サイズの場合、インクカートリッジ用の投入口の下が、トナーカードリッジ用の投入口となります。
純正品のトナーであれば、メーカーに引き取り依頼できます。1点から訪問回収できますし、宅配便(着払い)でメーカーに送ることもできます。
回収費用は無料です。純正品以外であれば、トナー回収業者に依頼して無料で回収してもらえます。トナー回収業者とは、リサイクルのためにトナーを回収している業者です。廃品回収業者ではありませんので、トナー以外の処理は依頼できません。
トナーの本数が少ない場合は、訪問回収を利用しましょう。トナーはまとめて1つの箱に入れ、ガムテープなどで梱包します。
宅配便を利用する場合は、メーカー・業者から回収専用箱を貰い、箱がほぼ一杯になったら送付するか、自分で箱を用意して送付します。
トナーを使ってから数ヵ月以内に回収しなくてはならない、などの期限はありません。
トナーを買い溜めしたけど結局使わなかったという場合、未使用のトナーを回収ボックスに入れるのはもったいないですよね。
トナー回収業者の中には、未使用のトナーを買取している業者もあり、未開封であれば1,000円~4,000円前後で売却できます。
1本単位で売るよりもまとめて売却した方が査定額は高くなりますが、保存状態が悪く劣化が進行している場合、査定額は低くなります。
回収したカートリッジはメンテナンスして、トナーを補充して再利用します。リユース品は生産コストが低く、通常よりも低価格で購入できます。
ただし、初期不良が起こりやすく、不良品が原因でプリンタ本体に損害を与えるケースも、ごく稀にですが存在します。
しかし、リユース品には不良品の返金保証があり、プリンタの修理費用の保証などがありますので、そこまで警戒する必要はありません。
破損などにより再利用できないカートリッジは再資源化されるので、廃棄物の抑制に繋がります。
トナー6本までならば宅配便訪問回収、6本以上の場合は回収箱のお届け+回収サービスの2つがあります。
宅配便訪問回収は、ブラザーの公式サイト内サポート情報のページにある「訪問回収・お申込み」から申し込むと、希望日に宅配業者が来て、トナーを回収してくれるサービスです。
環境への負担軽減や資源エネルギーの消費軽減の為、2本以上での回収が推奨されています。
回収箱のお届け+回収サービスは、上記と同じようにサイト内の「回収箱・お申込み」から申し込むと、トナーが8本入る箱を送ってもらえます。箱が満杯になったら、着払いにて返送します。
エプソンのトナーの場合、取引回収サービスと店舗設置の回収ポストを使う2つの方法があります。
取引回収サービスを利用するには、エプソン公式サイトより「MyEpson」会員登録を済ませてから、回収箱の請求をします。
回収箱が自宅に届いて、それが満杯になったら、公式サイトのマイページから回収依頼をします。
店舗設置の回収ポストは、エプソン製品販売店の店頭に設置してあるので、そこにトナーを投入するだけです。
「インクカートリッジ里帰りプロジェクト」というのは、使用済みのインクカートリッジの回収とリサイクルを促進する為に、プリンターのメーカー5社が共同で始めたリサイクルシステムです。
ブラザー、エプソン、キャノン、デル、日本HPの5社の共同プロジェクトで、里帰りプロジェクトにて回収されたトナーは、仕分けされてそれぞれにメーカーに送られてからリサイクルされることとなります。
回収方法は、「インクカートリッジ里帰りプロジェクト」回収箱設置郵便局や自治体施設に持っていき、回収箱に投入するだけ。
回収箱の設置場所は、下記の里帰りプロジェクトサイトから調べる事ができます。
トナーの回収の方法はメーカーによって多少異なりますが、メーカー共通なのはそれぞれ純正品に限るということです。例えばエプソンの回収箱に入れることができるのは、エプソンの純正品のみとなります。
それぞれのメーカーに訪問回収してもらう際も、そのメーカーの純正品でなければ回収してもらうことができませんので注意しましょう。
「インクカートリッジ里帰りプロジェクト」も同様で、回収箱に入れることができるのはブラザー、エプソン、キャノン、デル、日本HPの純正インクカートリッジのみ(袋、箱は不可)になっています。
トナーカートリッジは対象外になります。
メーカーによっては、トナーの入っていた箱に入れてテープで止めることが回収の条件になっていることもあります。
開ける際には回収のことも留意して、必要に応じて箱はとっておくようにしましょう。
トナー専門店などのお店でも、無料回収のサービスを行っている所があります。
たとえばトナーの専門店である「こまもの本舗」では、オンラインで新しいトナー購入する時、使用済みのトナーカートリッジを無料で回収してくれます。
回収の方法は、オンラインサイトから新しいトナーを購入する時に「お届け時に使用済みトナーを回収」をクリックして、「回収を希望する」にチェックを入れることです。
商品到着時に着払い伝票が同封されますので、それを使ってメーカーに送付することができます。
他にも多くのトナー専門店で同様のサービスが行われていますが、それぞれ条件が設定されていることもありますので、事前確認が必要です。